〈 今回の特集担当 〉
山崎製作所 代表取締役・山崎かおり
私たち三代目板金屋は、板金加工を生業とする
「株式会社山崎製作所」から発足した自社ブランドです。
静岡県静岡市清水区という、マグロの水揚げ量日本一の清水港を擁する港町で生まれました。
みかん、緑茶などの農産物の生産や、ツナ缶の製造等に代表される食品加工業、医療器具等に代表される精密機器の製造も盛んな地域です。
今回は、そんな地域で生まれ、育まれた「三代目板金屋」のストーリーを追うとともに、そこでなぜ「KANZASHI」が生まれたのか、その理由を紐解いていきます。
1. 静岡に息づく「錺職(かざりしょく)」の魂を呼び覚ます

私たち三代目板金屋のルーツは、江戸時代まで遡ります。
徳川家康公が駿府城を築く際、全国から優れた腕を持つ職人たちが、この静岡の地に集められました。
その中には、刀の鍔(つば)や、たんすの飾り金具など、
金属を美しく彩る「錺職(かざりしょく)」と呼ばれた専門家たちもいました。
「金属の芸術家」とも言われていたそうです。
時を経て、その繊細な技術は形を変え、
「精密板金」という現代の産業に発展してきました。
私達は、歴史を紐解く中で、作るものと使う道具は変われど、
形をつくりあげる原理と職人の志は同じだということにたどり着きました。
そしてある時、
「この伝統の素晴らしい技術を、もっと直接 お客様の笑顔につなげることはできないだろうか」
そう考えるようになったのです。
この問いが、ブランド誕生の第一歩となりました。
2. 消えかけた灯火、母娘の決意がブランドを生む

2008年、私たちの工場は未曾有の危機にありました。
リーマンショックの影響で、工作機械の受注が激減し、
板金加工の仕事も当時の売上の半分ほどになってしまいました。
そして、創業者(実父)は体調を崩し、工場を畳むことさえ考えていたのです。
「職人さんたちの居場所を守りたい」
その一心で、技術も経営も経験のなかった、
二代目の現代表・山崎かおりが会社を引き継ぎました。
男性が築いてきた金属加工という仕事、
そして、男性社会の工場を女性が引き継ぐということで、様々なハードルがありました。
また、事業承継を進めていくうえで、
当初は先代との衝突も何度も何度もありました。
しかし、先代の想いを大切につなぎ守りながら、
仕事を切り拓いていくという後継者の覚悟を決め、
2009年、先代から会社を引き継ぐことができました。

さらに、母の背中を追うように、長女が入社します。
この長女の入社がきっかけで、
新しいブランド「三代目板金屋」に繋がっていったのです。
3.「一生もの」のかんざしへの挑戦、研究開発の軌跡

ブランドの象徴である「KANZASHI(かんざし)」の開発は、
長女がリーダーとなり、社内女性チームを結成して進めていきました。
しかしその道のりは、試行錯誤の連続でした。
なぜ「KANZASHI」だったのか?
それもまた、この駿河の地の歴史を紐解いたことからでした。
私達のルーツである「錺(かざり)職人」の仕事を調べていくと、その中に「かんざし」を作っている職人さんがいることがわかったのです。
江戸時代には大流行したかんざし。お姫様、花魁、町娘、女性たちのオシャレアイテムでした。
そして、プロポーズのプレゼントとしても使われていたかんざしを、現代の板金技術で製作したら、どのようなものになるか試作再現しようと考えたところから、 私たちの開発が始まりました。
素材へのこだわり

かんざしの素材としてよく用いられているのは、
真鍮や銅といった金属や、木や竹、べっ甲、樹脂などでした。
対して、私たちは医療機器も作っています。
その素材にも使われる「高機能なステンレス」を選びました。
「折れにくい・錆びにくい・金属アレルギーを起こしにくい」
永く安心して使っていただける素材だからこそ、
一生ものにふさわしいと考えました。
折れない、使い心地のよい脚へのこだわり

堅固なステンレスを、女性の髪に優しく寄り添う滑らかな曲線に変えるのは、
精密板金加工を生業としている当社にとっては、お手の物ではありました。
しかし、そのかんざしの脚の形状に関してはこだわりぬきました。
元美容師の社員がヘアデザインの視点で加わり、
使い勝手のよい角度、硬さ、厚さ、巾、重さ等々、ベテラン職人と共に何度も試作をしながら、
理想のホールド力と美しさを追求しました。
そして、毛量が多い方でも永く安心してお使いいただける
「一生もの」の形ができました。
それは、板金という無骨で堅牢な技術が、
女性の感性と出会って生まれた奇跡の結晶でした。
4. 「三代目」という名に込めた、未来へのバトン

私たちのブランド名には、特別な想いが込められています。
これまで技術を紡いできた先人たちを「初代」、
それを受け継いだ私たちを「二代目」とするならば、
この製品を手に取ってくださる皆様、
そして次の時代を生きる後継の板金職人たちが「三代目」です。
そして「板金屋」という仕事がどんな仕事かを知っていただきたいと思い、「三代目板金屋」というブランド名になりました。
私たちがお届けしているのは、単なるヘアアクセサリーではありません。
ある時、お客様からメッセージが届きました。
そのお客様は、亡きご主人から贈られた月下美人の「KANZASHI」を、一生の宝物として大切にしてくださっていました。 そのお客様にとって当社のかんざしは、
ご主人の愛情とともに「一生そばにおいておきたい形見」となったのだそうです。
その物語をお聞きした時、工場の職人たちの瞳には、感動と誇りの光が宿りました。

「板金という技術が、誰かの人生の一部に彩りを添える」
その喜びを胸に、私たちは今日も火花散る工場で、一点一点を磨き上げています。
また、私達 三代目板金屋チームは、この輝きが、あなたの日常を照らす、一生のパートナーとなれるように、
これからもお客様の声に真摯に向き合い、
現場に届け、商品づくり、サービスに活かしてまいります。
皆様のお声をぜひ、お聞かせください

三代目板金屋では、お客さまのお声をお聞きするための
〈アンケート〉を実施しております。
下記のボタンからアンケートにお応えいただきますと、
公式オンラインショップで使える〈 20%OFFクーポン 〉をプレゼントいたします。
お客様により良い商品をお届けするため、
そして、ものづくりの未来を紡いでいくため、
皆様のお声をぜひ、お聞かせください。
今後も、三代目板金屋は、お客様に寄り添った商品開発、サービスを心がけ、日々精進を重ねてまいります。
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。
